今後の介護業界の課題とは

介護業界の今後を考える上で欠かせないことといえば、やはり人口の推移です。介護を必要とする世代の増加と少子化の問題があるため、人手不足は続くと考えられます。しかし、極端な人手不足が問題となる状態が永遠に続くとは考えられません。何故なら、団塊世代の介護が一段落した際には、介護を必要とする人口は減ると見られているためです。したがって、闇雲に介護施設を増やしてしまうと、要介護者の利用が減少した場合に介護業界が衰退しかねないので注意が必要です。直近での需要と長期での需要の両方を考えた上で、戦略的に考えて行くことが今後の介護業界には求められるでしょう。

介護業界の問題として必ず挙げられる人手不足に対処するには、なり手である介護者を増やす方法と、介護を受ける側である要介護者を減らす方法の二つが挙げられます。前者へのアプローチとしては、外国人労働者やロボットの利用といった試みも行われていますが、それだけでは頭打ちとなることも考えられます。仕事を細分化し、介護士が事務などの作業をせずに仕事に専念出来る環境作りや、多くの人が介護に関わる仕組みを並行して整えることが大切です。

また、要介護者を減らすためには、予防医学からのアプローチが重要になります。早い段階で正しい判断が出来れば、状態が重くなることを延ばすという可能性も出てくるので、正しい情報の共有や周知といった点でも工夫が必要です。そして、さらに先を見据えるならば、介護施設の活用方法を模索することも必要です。要介護者が減少した際に、不用となる介護施設や職を失う介護士を出さないよう、活用の仕方に新しい発想や工夫が出来ればさらに望ましいと言えるでしょう。